【試し読み】銀の河を漂い彷徨う2(第四章全文)
4.同志よ、いざ出航だ!
それは、コロナ禍後、初のリアルイベント参加のことだった。
ひとつ前に申し込んでいたイベントが中止になり、少なからず消沈していたのだろう。無事開催されたそのイベントで、珍しくテンションが爆上がりしたのである(普段、非常に大人しいのでテンションが上がること自体珍しい。いやホントよ)。
売り上げは言わずもがなごにょごにょ…だったのだが、会場で呟く頻度も購入した数もそれまでの比ではなく、閉会し帰宅して、日付が変わっても、文字通り興奮醒めやらぬ、という状態だったのである。
それがどうやら「イベントに参加したい欲」だということに思い至り、オンラインイベントの開催情報をすぐにチェックし出したのは、思い立ったが吉日、というやつだったのかもしれない。
普段はものぐさで、何かにつけ物事を後回しにしがちな私にとって、その行動はやはり、その後を左右する運命だったのだろう。
直近で、一目見てびびっときたのが『一次創作海賊webオンリー 海賊達はかく語りき』(*1)というイベントである。
拙著が厳密に参加条件を満たしているかだいぶ悩んだのだが、念のため主催さまに確認して、無事参加と相成った。これが申し込み締切2日前のことである。こんなところでもギリギリかよ! ごめんなさいね優柔不断で。
このイベントは「海賊がテーマ」であることが参加条件なので、作品は小説に限らず、漫画・イラスト・グッズ等もあり。
申し込みが滑り込みすぎて、告知もサークルチェックもろくにできなかったのだが(ついでに言うとイベント当日も仕事だった)、なんというか、各々が理想とする海賊たちが一堂に会した感があり、短時間だけだが会場をぐるぐる回って一人にやにやしていた。端から見るとアブネー奴である。
拙著『船上の炎』は、主人公自ら海賊を名乗ってはいないのだが、そう呼ばれる立場にいることを選んだ男たちを描いている。
実は元々、学生の頃の仲間内で企画が持ち上がった「海賊もののアンソロジーを作ろう」計画から生まれた物語なので、参考にしたのは間違いなく世の様々な海賊たちなのだ。
やー…やっぱいいよね、海賊。大好きです。
素敵企画をありがとう主催さま。
なお、この時の開催が第1回目(2021年10月10日)で、図らずも私のオンラインイベントデビューともなった。
それによる親しみというか、特別感みたいなものは多大に影響しただろう。テーマとの合致性も申し分なく、第2回目(2022年9月11日)には迷わず申し込んだ。
これで、密かに構想を練っていた新作が発表できれば言うことはなかったのだが、設定諸々固めきれず(主人公らの名付けすら間に合わなかった)、やむなく冒頭のみweb公開という暴挙に出た。
勿論メインは既刊の方だったのだが、それでも参加の体裁は保てるのが、オンラインイベントのいい所だろうか。
第3回目の開催は時期未定とのことだが、それまでにあの冒頭の続きを形にしたいところである。
*1…主催:花篝さま(@hana_kagari_sun)
イベント公式Twitter:@kaizoku_katari
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