【連載】(タイトル未定)#2-5

※こちらは、超絶遅筆な管理人が、せめてイベントに参加する毎には更新しようという、

雨垂れ石を穿つ精神で投稿する長編(になる予定の)連載ページです。

状況により、過去投稿分も随時加筆修正予定。

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 フレイに促されて、ラファは声を潜め、ぽつぽつと話し出した。

「隣町との境の山の頂上付近に、小さな洞窟があります」

「あぁ、知っている」

「そこに最近、魔物が棲み着いてしまったらしくて。流れてきて居着いたのか、洞窟内で発生したのかはわからないんですが」

 フレイの眉間に皺が寄る。

「危険なヤツか」

「直接姿を見た人がいなくて、どの程度の魔物なのか、はっきりしないんです。ただ、山の獣の死骸が増えているらしいのと、その、空気が少し……」

 言い淀むラファに、フレイは深く追及しなかった。風を操るラファには、何か感じるものがあるのだろう。フレイも注意深く辺りの気配を探ってみたが、町の周囲にそれほど危険な魔力の気配はしない。

「で、おまえは何を困ってるんだ?」

「……退治してほしいと、依頼が」

「なぜおまえに」

 フレイが訝しむと、ラファは宿の外の通りに目を向けながら言った。

「この町は、昔から加護持ちが警備というか、危険や災害から町を守るという暗黙の了解みたいなものがあるんです」

「それは知ってる。おまえ以外にも加護持ちはいるだろう? この町は多い方だったと思うが」

「それは……はい、少し前までは」

 ラファの物言いに、引っかかるものがあった。フレイが目で促すと、ラファは淡々と続ける。

「私が生まれる前にいた加護持ちは、総じて短命だったそうで。今は町にあと二人、加護持ちがいますけど、二人とも私と同じ、成長が早い方です」

 高齢ではないが、身体は既に老化が進んでおり、体力もだいぶ衰えている。

「町の警備には、今もお二方が尽力してくださっていますが、山の探索と魔物退治は荷が重いそうで……仕方なく私が」

 仕方なく、という言葉が出てくるのは、ラファが乗り気ではないせいなのかと思った。だが、その表情を窺う限り、どうやらそういうわけでもないらしい。

「もう一度訊くが、おまえは何を困ってるんだ」

「私一人では、どうしていいかわからないんです」

 フレイとルークは思わず顔を見合わせた。冗談でも言っているのかと思ったが、ラファの表情は硬く、声も徐々に沈んでいく。

「私は……私の魔力は、それほど強くありません。普段、あまり使わないようにしているので、扱い方も上手くないです」

「普段使わないって、どうして?」

 ルークの問いに、ラファの表情はますます歪む。

「両親が、いい顔をしないので」

 そこまで言ってラファは、はっと我に返った。

「すみません、うちのことはいいんです。えぇと、その、私一人では、退治できるか心許ないので、力を貸して頂けると」

「わかった」

「え?」

 途中で遮ったフレイの返事に、ラファは一瞬呆気に取られた。フレイは、そんなラファを一瞥すると、不承不承といった態で告げた。

「手ェ貸してやるよ。明日、準備を整えてもう一度来な」

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