【連載】(タイトル未定)#2-6
※こちらは、超絶遅筆な管理人が、せめてイベントに参加する毎には更新しようという、
雨垂れ石を穿つ精神で投稿する長編(になる予定の)連載ページです。
状況により、過去投稿分も随時加筆修正予定。
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何度も礼を言ってラファが宿を出て行くと、フレイが盛大な溜息を吐いた。
「どうしたの? 急に手伝ってもいい、なんて」
関わる義理はない、とまで言っていたのに。
ルークの至極真面目な問いに、フレイは渋面のまま答える。
「仕方ねぇだろう。俺たちが手伝ってやらねぇとあいつ、一人で魔物退治に行かなきゃならないんだぜ? 力が強くないってのも謙遜じゃなさそうだし、死にに行くようなもんだろうが」
「その魔物って、強そうなの?」
「見てないものを判断できるか。弱けりゃいいが、そうじゃなかったら……さすがに俺も、小娘一人見殺しにして平気だとは言わねぇよ」
フレイの言葉に、今まで意識していなかった概念が含まれていて、ルークは一瞬きょとんとする。
「……あれ、え? ラファって女の子?」
「今頃何言ってんだ、おまえは」
フレイに呆れたような目を向けられて、ルークは首を竦めた。気付かなかったのは、ラファに失礼だっただろうか。
「とにかく、一度様子を見る。可能なら退治すりゃいいし、俺たちの出る幕じゃなけりゃ、町の連中にどうにかさせるさ」
――手に負えなければ、ではないのが、フレイらしいなとルークは思った。もしも危険だと判断したら、フレイは絶対に、町に助けは乞わないだろう。
翌朝、フレイとルークが宿の前で待っていると、通りの奥からラファが駆けてくるのが見えた。小ぶりのザックを背負い、手に短弓を携えている。
「おはようございます。すみません、お待たせして」
「いや」
「おはよう、ラファ」
ルークの挨拶に、ラファは瞬きをして、朗らかに笑った。
「おはようございます、ルークさん」
あぁ、やっぱり。最初に聞いた、あの鋭い声と口調に騙されたのだ。
改めて目の前に立つラファを見れば、その線の細さや華奢な体躯、柔らかな声は、実年齢は少し下の女の子、という事実がしっくりきた。
「それじゃ、行くぞ」
そう言って歩き出したフレイに、ルークとラファも続いた。
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