【連載】(タイトル未定)#2-11

※こちらは、超絶遅筆な管理人が、せめてイベントに参加する毎には更新しようという、

雨垂れ石を穿つ精神で投稿する長編(になる予定の)連載ページです。

状況により、過去投稿分も随時加筆修正予定。

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 ラファは山道をとぼとぼと歩いていた。数歩踏み出すごとに溜息が零れる。

『加護持ちであることを悲観するのと、力が弱いことを嘆くのは、矛盾じゃねぇのか』

 図星だった。指摘が的確すぎて、なにか言い返すこともできず、逃げるように飛び出してきてしまった。

 望まず手にしていた力。手放すことも、使いこなすこともできず、ただ持っているというだけなのに、他と違うと区別される。理不尽だ。

 だがそれを、理不尽だと声を上げることすらしてこなかった。両親の顔色を伺って力を抑え、魔物が現れたと知らされたら、不器用に魔力を操ってどうにか事を収める。

 加護持ちであるせいで、家族から、周囲から受け入れられない。少しでも距離を縮めたくて力を抑えていれば、今度は町を守る役に立てない。悩んでいるようで、実際はただ諦めていただけだ。

 成長の早い自分は、どうせ短命だ。必要とされた時に魔力を提供して、あとは流されるまま生きて、死ぬ。自分らしい生き方など、考えたこともない。

 それを、フレイに見抜かれていたのが恥ずかしかった。あんなに偉そうな態度で力を貸せと迫っておいて、いざ現場に来てみたら、役立たずもいいところだ。

 深く息を吸う。微かにフレイの力の波動を感じる。

 これは危険を排除するものではなく、異物の接近を察知するような簡易的な結界だろう。ラファが考え無しに飛び出してきた、その距離より広く周囲を覆っている。

 今も、こうして守られている。フレイの言うことは厳しいが、ラファ自身を否定するようなことは一度も口にしていない。

 フレイの醸し出す雰囲気は、明らかに徒人と違う。おそらく、長命者。見た目より遥かに永い時を生きている筈だ。ラファの抱える苦悩や葛藤など、とうに経験して、乗り越えてきたに違いない。だからこそ、あれほど自在に魔力を扱えるのだ。生まれて十数年の自分など、比べるのも失礼だろう。

 陽が落ちてくる。いくら彼の結界があるとはいえ、単独行動は禁物だ。重い気持ちを抱えながら、ラファは元来た道を戻っていった。

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