【連載】(タイトル未定)#2-10
※こちらは、超絶遅筆な管理人が、せめてイベントに参加する毎には更新しようという、
雨垂れ石を穿つ精神で投稿する長編(になる予定の)連載ページです。
状況により、過去投稿分も随時加筆修正予定。
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焚き火の側に座り直して、ルークはフレイを見上げた。
「もう少し、優しくしてあげたらいいのに」
「ラファにか? 言っとくが、おまえ相手よりよっぽど気ぃ遣ってやってんだぞ」
「そうなの?」
自分より、というのが少し引っかかるが、フレイも一応考えているらしい。
「でも、もうちょっと言い方あるんじゃない? ラファ、フレイのこと少し怖いみたいだし、その、女の子なんだし」
「最初に気付かなかった奴が、偉そうに言うじゃねーの」
それを言われると耳が痛いが、フレイは別に怒っているわけではないようだ。溜息をついて、ルークの側に腰を下ろす。
「あいつが俺に対して感じてるのは、魔力に因る本能的な怖れだ。俺が気を遣ってやりゃいいとか、あいつが慣れようと努力して、どうにかなるものじゃねぇんだよ」
「フレイ自身が怖いんじゃなくて?」
「……えぇとな」
フレイは手近にあった小枝を拾うと、地面に何やら図を描き始めた。
「魔力と呼ばれる力の根源は、かつて神が地上にばらまいた神力の欠片だって話はしたな」
「うん」
「この世界を創った神は、大海の男神と大地の女神の二柱。その力を最も強く、濃く受け継いでいるのが、火・土・水・風の4つの力だ。大抵の加護持ちは、この4つのどれかに属する。稀にどの力にも属さない、特殊なのもいるようだがな」
たとえば治癒能力も、4つのどの系統に属しているかによって、得手不得手がある。生命体にかなりの影響を及ぼせるのは主に水。火や土、風は人体への施術より、浄化や結界を得意とする。
「で、だ。火と土は大地、水と風は大海の神の加護下にある。さらに、内包する魔力が同程度の場合、火は風に、風は土に、土は水に、水は火に対して優位性がある」
「つまり、風の力を持つラファは、火のフレイを敵わない相手だと思ってるってこと?」
「そういうこった。そもそも、俺とあいつじゃ相性以前に、何もかも比べようがない。それがわかるから怖いんだろう」
加護持ちとしての経験値も、力の差も――生きてきた時の永さも。
比べて敵うものなどひとつもないと、ラファもわかっているだろう。それでも己の非力さを嘆くのは、加護持ちとしての矜持は少なからずあるということだろうか。
もう一度溜息をついて、フレイは立ち上がった。
「ちょっとその辺、見回ってくる。あいつが戻ってきたら、先に休んでろ」
「うん、わかった」
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