【試し読み】銀の河を漂い彷徨う4(第五章全文)
作業のお供
基本、創作時にはほぼ無音である。
CDをかけても歌詞があるとどうしても作中の言葉と混じるし、メロディだけでも創作の思考にとっては邪魔になってしまう。
だいたい、「何かをしながら」創作するというのは難しい。特に音楽は、これまでの経験上の癖で、曲全体というより、楽器の音ひとつひとつ(どこで何の楽器が鳴っているか)を聴き取ろうとしてしまうため、創作という、割と高度な思考作業のお供には向いていないのだ。
が、組版や印刷・製本、お品書き作成などのイベント準備時には、逆にBGM必須である。なぜか。私が単調作業に飽きやすいから(おいこらー)。
ただしこの時、「聴く目的」で音源を選んではいけない。作業に集中しすぎて、結局音楽そのものはほとんど聞いていないからである。
先日も、買ってから2度くらいしか聞いていないCDをかけて作業を始め、気付いたらいつの間にか全トラックが終わっていて、ものすごく残念だった。集中力を高めるという効果は存分に発揮しているので、あながち無駄ではないのだが。
なので、短時間で集中して何か作業しなければならない時、私は必ず『集中時専用BGM』をかける。
何を隠そう、昔からこつこつと編集してきた、ゲーム音楽戦闘BGM集である。
嗜んできたゲームの種類はまったく多くない。が、シリーズが長く、またバトル音楽が豊富で、アレンジ曲も多数出ているのがひとつの特徴と言っていい作品ばかりなので、曲数には困らない。
1曲2~3分だが、その短いサイクルで次々曲が変わっていくのも、飽きを感じさせないのだろう。
何年も聞き続けているので、次に流れる曲もだいたいわかるし(わかることに安心感があるのでランダム再生はしない)、バトル音楽なので総じてハイテンポ・ハイテンションである。ほどよい疾走感と緊張感も申し分ない。稀に、流れる前後のイベントがしんどくて聴くのが辛い曲もあるが。
最近久し振りに曲を大量に追加し、容量が確実にオーバーしそうだったので、ついにウォークマンを2台に分けた。
ついでにプレイリストを整理して確認すると、総時間が15時間以上になっていてちょっと驚いたのはここだけの話。作業のお供としては充分すぎるほどである。
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