焼き肉とおしゃべり・その1
昨日、友人と焼き肉に行ってきた。
この歳になると、友人という括りはふたつに分けられる。ひとつは学生時代の同級生。これまでの話題でも何度かご登場頂いた元・相方はこちらで、大学の同級生である。
ちなみに高校卒業後に引っ越したせいもあり、小・中・高の同級生とは疎遠。というかほぼ全滅。辛うじて数人、年賀状のやり取りだけは続いている。
もうひとつが、母の音楽教室を通じて知り合い、知人から友人へ昇格(?)した例。昨日遊んだ2人、KとNはこちらで、出会って10年(Kに至っては恐らく初対面は20年前)経とうというのに、年1回(=発表会の時期)だけ顔を見る間柄だった。
それが、今年に入って急につるむようになった。飲みに行きたいNと、飲み会に誘われたい私と、話をにこにこ聞いてくれるKの息が上手いこと合った感じである。
さて、焼き肉。学生時代に数えるほど行ったきりなので、作法だのオススメだのは2人に任せっきりなのだが、なんというか、会話の内容にもの凄く新鮮味を覚えたのが印象的だった。
1年を通して、「話をする頻度」は大学の同級生の方が多い。誰かが提案すればあれよあれよとオンライン飲み会(という名のだだしゃべり)が開催されるし、元・相方と2~3回はカラオケで直接会ってしゃべる。ちなみに歌は歌わない。ドリンクバーとフライドポテトの山盛りを肴に、ひたすらしゃべる。
話題がどういう方面に広がろうと、根っこが物書きである集まりなので、その辺りの認識は暗黙の了解である。これから話題にしようとしている事柄に関する知識への、理解度と認識の程度があまりブレない、とでも言えばいいのだろうか。「即売会」だの「コピー本」だの「ブース」だの、同人活動やってればもはや説明不要になるし、今さら特別話題にすることもない。全員がほぼ同じ認識で話は進むからだ。
ところがこれが、創作活動に携わらないKとNには未知の領域であるため、言葉を選んで(ここ大事)懇切丁寧に説明する必要が出てくるわけである。それが面倒だったという話ではなく、説明することで、自分の中で再認識したというか再発見したというか。
例えば、Kに「ラノベってどんなジャンルのことなんですか?」と訊かれて(物書きが一般人によく訊かれる質問)、一瞬「えっ…と?」となった。これも感覚的なものの代表格で、定義がはっきりしていないから、普段それを読まない人間に説明するのは難しい。私もはっきりこうだと断言はできない。
少し前に読んでいた某エッセイ本の影響もあり、「ある程度続くことが前提の、キャラクター重視の作品で、表紙にキャラ絵が使われることが多い、読者層を主に中高生をターゲットにしている小説」とざっくり説明した。
この説明でKは「キャラクター重視というのは、例えばマンガで言ったら『ル○ィ』と言えば『ワン○ース』だとわかる感じの作品のことですか!」と言うので、「そうそう、そんな感じ」と答えた。厳密には違うだろうが、彼女が感覚でそういうものだと理解できれば、この場での話題はOKなのである。
このように、話題にしようとしているものの実態や概念を、10わかってもらうために1だけ話せばいい場合と、5だけわかってもらうために7くらい話す場合があり、なんかおもしろいなぁと酒でぼけぼけの頭で考えていた(帰ったらネタにしようとも思っていた)。
ところでなぜこのような話をするはめになったかと言うと、冬に参加するイベントにお誘いしたからである。2人とも本は読むしドラマも少しは見るが、マンガアニメゲームはあまり知らないという一般人種なので、イベントそのものは楽しんでくれそうだが、その界隈独特の単語には馴染みがないという感じ。
まぁそれでも、そんな意味不明な単語が入り乱れる私の説明をにこにこしながら聞いてくれるのだから、飲み友としては最高である。
余談だが、Kは自著を読んでくれている。めちゃくちゃ褒めてくれる。最高です。
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